ホットワイン
- Ichiro Mikami
- 2015年5月3日
- 読了時間: 2分
ネパールで初めてホットワインという飲み物を飲んだ。
ま、化学の先生である俺のとしては、加熱するとアルコールの含量がかわるのでどうかと思うのだが、飲んだことがないので飲んでみることにした。
くっさっ!
激臭い香りが漂う。
息を止めて飲みながら嫌な予感を感じていた。
この臭さは、今まで何度か体験したことのある臭さ。
ゴムとチョコレートを合わせて焦がしたような臭さ。
これは中毒性を感じてしまう、一歩間違ったら病み付きになる臭さだ。
とりあえず、口で息しながらなんとか飲み干した。
さすが酒を愛する男。
残すことはしないか…
ネパール最終日。
俺はホットワインを飲むためにその店に行った。
臭いが、うまいことを確信した俺は、そのワインを売ってくれと頼んだ。
俺も日本でホットワインが飲みたい。
一本持って帰ったら、あとはネットで買えるはず。
飲みかけしかないという。
じゃあ、見せて。
なんだと?
オーストラリアのワインー?
まあ、それはいいとして。
クンクン
違う。
全然違うじゃねえか。
香りがよお。
騙してないか?
すると、ウエイターが俺を厨房に連れて行ってくれた。
こ…これは…
な、なんとワインと一緒にスパイスを煮ていたのだ。
そして、そのスパイスからあの臭い。
「これはなんだ?」
ネパールマサラだ。
ネパールマサラ?
すぐに俺はネパールマサラの正体を暴くために、スパイス屋さんへと向かった。
スパイス屋さんでネパールマサラをくれというと、みんな変な顔をする。
ネパールマサラって…ラッスンゴレライの一種か…
まあ、俺もだてに海外に行きまくってるわけじゃないから、俺が見たネパールマサラの写真を見せる。
「ああ、これか。」
これかじゃねえだろ。
すると、自信ありげにそこら辺のスパイスを高速で調合し始めた。
ネパールマサラって、スパイスの混合品だったのか…
そして、俺は有り金のすべてを出して、ありったけのネパールマサラを購入したのだ。
まだ開封していない。

準備を完璧にしてから、一気に混合してネパールマサラの元を作るつもりだ。
そしてワインと一緒に煮るつもりだ。
絶対にワインは重要じゃないはず。
勝負はこのネパールマサラにあるに違いない。
旨かったらお前らにもただでわけてやろう。
欲しいヤツはFacebookに書いて来い。
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